2019.4.09|MEDIA

2019.4.8掲載 日刊工業新聞 ー 日本を支える有望企業 鎌倉製作所

右肩上がり

鎌倉製作所は、産業用換気装置などを手がける。主力の屋上強制換気装置「ルーフファン」は、業界で70%のシェアを持つ。こうした看板商品を守りつつ、既存製品にとらわれない製品開発を続けている。環境改善の多様なニーズに応える製品力を武器に、リーマン・ショックの影響で一時落ち込んだ2009年以降、右肩上がりで成長を続けている。堀江威史社長は創業者の次男で、おもに営業畑を歩んできた。常務に就任した当時はバブル景気の真ただ中で、設備投資需要が旺盛。製造業の設備投資とともにルーフファンなどの製品は販売を拡大し、業界での地位を確固たるものにした。その一方で「もともと一つの製品に依存する経営体制に不安はあった」と堀江社長は明かす。

20190408 日刊工業新聞

“問題児”増やす

そして、バブル崩壊とともに業績は急降下。先行きが見えなくなる中、訪問先のラスベガスで大型の涼風装置を見かける。大型施設に設置され、予想以上の涼しさに驚いたという。帰国後、涼風機を輸入して研究を重ね、気化放熱式涼風装置「クールクリーンファン」を1996年に開発、発売した。「周囲から市場性を疑問視され、売れるか不安だった」と話すが、約3000社の取引先にFAXで新製品の告知をしたところ反響は上々。初年度で約6億円を売上げ、主力製品の一つとなった。

「製品開発のスピードを早め、収益力は低いが、将来的に成長が見込める“問題児”のようなモノを増やしたい」と堀江社長は展望を語る。既存製品の用途開拓と同時に、全く新しい製品の開発を進める。その中から将来の”花形製品”を創出・育成し、既存製品頼みの経営体制からの脱却を目指す。

海外市場も視野

16年にはウエアラブルエアコン「COOLEX(クーレックス)」を開発した。ウエア内部に細管を張り巡らせ、その中にチラー(循環装置)で冷水を巡回させる、これまでにない着用型の冷却装置だ。空間全体を冷房することが難しい工場や倉庫での作業に導入を見込む。17年に発売して以来、引き合いは順調だという。今後は、海外市場も視野に入れる。19年度中に派生製品やチラーを小型・軽量化した新型装置を市場投入する予定で、これを機に本格的な普及を目指す。

堀江社長は「さらに技術開発が進めば、もっと気軽に着用できるようになる」とし、「世の中が変わるかもしれない」と期待をかける。21年度までに5億ー10億円規模の事業に成長させる計画だ。