2019.7.28|MEDIA

2019.6.25掲載 日本物流新聞ー18年熱中症「倍」の千人に

18年熱中症「倍」の千人に

梅雨が明ければ、いよいよ本格的な暑さが到来する。すでに5月時点で30度以上の「真夏日」を記録した地域もあり、早々に昨年の厳しい夏を思い出した人も少なからずいただろう。肌で実感しているように、日本は確実に暑くなっている。

気象庁によると、今年3~5月の平均気温は基準値(1981~2010年の30年平均値)に比べて1℃高かった。1898年の統計開始から6番目に高い数値だ。「様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.47℃の割合で上昇している」(同庁)という。

20190625 日本物流新聞

現場改善や労働災害防止の点で暑気対策の重要性は依然から語られてきたものの、作業中の事故はなくならない。熱中症による死傷者数(死亡・休業4日以上)は年間400~500人。気温と湿度の上昇とともに発生件数が増える傾向にあることから、昨年は前年比2・1倍の1178人に達した(=グラフ)。過去10年間で最も多く、警備業で3倍、製造業と運送業で2倍に増えた。

暑くなる前に十分な備えが必要だ。身体が暑さに慣れていない段階では「発汗が始まる時期が遅れ、汗腺のうち一部は発汗できず、汗に含まれるナトリウムの濃度が高くなる傾向がある」(中央労働災害防止協会「熱中症予防対策のためのリスクアセスメントマニュアル」)からだ。熱中症の原因である水分とナトリウムのバランスを維持しやすくためにも、暑さに慣れる期間を設け、水分・塩分補給やスポットクーラーなどで冷やせるスペースを早めに準備しておきたい。

環境に応じた対策

昨年の酷暑の影響を受けて、すでに対策強化に乗り出している企業は多く、とくに建設業のように移動の多い現場では小型ファン搭載の作業着の売れ行きが好調のようだ。

鎌倉製作所は溶接に代表される酷暑環境で引き合いが続いている。最大の強みである全体換気ではなく、身体冷却に焦点を当てたウェア製品が受けた。「COOLEX」は小型チラーで冷水をつくり、ウェア内に循環させて直接冷やすシステム。「水冷式のため、溶接不良の原因となる『風』を嫌う現場でも安心して使える」(COOLEX販売部の木野良太販売一課課長)のがポイントだ。

水冷は7~20℃まで自由に設定可能。チラーの周囲温度が40~50℃の環境でも冷水がつくれる。「試しに購入して冷却効果を確かめてからリピートするケースが多い。チラーに接続する関係で作業範囲は限られるが、近日中に配管ホースのないバッテリー運転が可能なリュックタイプを発売する予定だ」という。