熱中症と水分との関係は?

2024.01.01 コラム

はじめに
このコラムでは熱中症に関するテーマを中心に連載していきます。
今回は熱中症対策として効果的な水分補給について解説します。

汗をかいたら、水をたくさん飲んでおけば大丈夫?

汗には、水のほかナトリウムやカリウムといったミネラル分も含まれており、汗をかくことでこれらのミネラル分も身体から失われてしまいます。
特にナトリウム分が失われることで、水だけ補給しても血液の中のナトリウム濃度が薄くなり、身体がナトリウム濃度を維持しようと水分を排出してしまうため、かえって脱水症になりやすくなってしまいます。
汗をかいたら、必ずミネラル分を含んだ飲み物をしっかり補給し、脱水症にならないようにしましょう。

のどが渇いてからでは水分補給は遅い?

遅すぎることはありませんが、のどの渇きを感じたらなるべく早く水分補給をしましょう。ヒトの身体の約60%は水分です。水分は生命維持に非常に大切な役割を果たしており、
2%失われると運動能力が低下することがわかっています。
5%の水分が失われると、脱水症や熱中症のリスクが飛躍的に高まります。
私たちが強いのどの渇きを感じるときは、この2%程度の水が失われている状態で、できるだけ早く水分補給をする必要があります。
人は一日に約2.5Lの水を生命活動のなかで排出しているため、その分の水分を補給しなければなりません。
熱中症予防はもちろん、普段の健康のためにも、のどの渇きを感じる前にコップ1、2杯の水をこまめに補給する習慣をつけましょう。
また、水分補給の際には、水だけではなく0.1%~0.2%の塩分を同時に摂取するのも前述の通り効果的です。

脱水症と熱中症の間に因果関係はある?

脱水症になると、熱中症のリスクが高まります。

・汗をかく機能:汗が蒸発するときに皮膚から熱を奪い、表面体温を下げる
・血液の役割:体温が上昇すると、皮膚表面を流れる血流量を増やして、熱を逃がそうとする
このようにヒトの身体には暑いと感じると、身体の体温が上昇しないように汗や血流で体温を一定に保とうとする働きがあります。

しかし、もし脱水症になって体の中の水分が不足すると、汗が出なくなったり、皮膚表面に血流量を増やすことができなくなって、
体温調節がうまくできなくなり、最終的に熱中症を発症してしまいます。
このため、適切な量の水分と塩分をこまめにとることは、大変重要です。

>>>毎月熱中症・暑さ対策に関するコラムを発信していきます。次の更新は2月1日予定です。次回もお楽しみに!
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