鎌倉製作所が製造現場の熱中症対策として提案しているのが、着用型の身体冷却システム「COOLEX(クーレックス)シリーズ」だ。作業着の下に着る特殊なウェアの内部に冷水を循環させる仕組みで、着用者の身体を連続的に冷やす。電力消費が少なく作業効率向上につながる利点もあり、鉄鋼業を中心に採用が広がっている。
クーレックスは、ウェアと小型チラー(冷却水循環装置)などで構成。チラーから繋がれたホースでウェアに冷水を流す。40度以上の高温環境でも確実に冷却効果を実感できるのが特徴だ。
チラーの重さは5~15キロ。持ち運びが可能なサイズのため、設置スペースの制約から空調装置を取り付けづらい現場にも向く。送風機などと異なり、作業者の身体を直接冷やすため、風の利用が難しい溶接などの現場ニーズにも対応可能だ。
工場などの空間全体を冷やさないため、省エネ効果も高い。一人用のスポットクーラーと比べ消費電力は8割減らせる。現場のニーズに対応し、防塵タイプのチラーや難燃性素材のウェアも用意している。
ホースで接続されているため、着用者の作業範囲は限定されるが、チラー用の電源さえあれば稼働できる。作業範囲は機種によって異なり半径4~10メートルに対応する。
導入先は約6割が鉄鋼関連企業だ。これまでJFEスチールや中山製鋼所、黒崎播磨、産業振興などへの納入実績がある。
2021年からは標準モデル「COOLEX-1」の価格を大幅に引き下げた。購入前に実際の現場でデモ機を試せるトライアルも可能。1週間の場合は有料だが、1日間の場合は無料で対応している。