2021.7.5掲載 熱産業新聞 ―身体冷却システム「COOLEX」作業者の身体を効率冷却 鉄鋼や食品製造などで導入進む

2021.07.15 メディア

鎌倉製作所の「COOLEX」は、熱中症対策と作業効率向上を実現する身体冷却システム。

チラーで作った冷水をウェア内のチューブに循環させ、酷暑現場で作業する人の身体を冷却する「チラー式冷水循環式ウェア」で、周囲温度の影響を受けにくく、作業者の身体だけを効率的に冷やせるのが特長。冷水は状況に合わせて7~20℃まで温度調整ができる。

「COOLEX」の納入先の60%を占めるのが鉄鋼関連。ファン付きウェアでは効果が見られなかったため「COOLEX」に切り替えた例も多く、また、火を使用しているため風の出る機器は避けたいとして、水冷式の「COOLEX」を選択する例もある。

それに続くのが食品製造。食品工場は、釜・焼き場・ピッキングなど高温下の作業が多く、「COOLEX」は製品を冷やさず人だけを冷やしたいというニーズに的確に対応できる。

次いで多いのが塗装ブース。防爆区域に対応した機器が少ないうえに風を使った機器は製品不良につながるため熱中症対策に窮していた。COOLEXは防爆区域外にチラーを置いて配管するホースを通じてウェアに冷水を送る方式が採られている。

「COOLEX」は、酷暑作業用小型タイプのCOOLEX-1、55℃までの超酷暑環境作業向けCOOLEX-Pro、機動性を追加したキャリータイプのCOOLEX-C131など、様々なタイプを取り揃えており、用途に合わせた選択ができる。

このうちCOOLEX-Multiは一台のチラーから配管を室内の天井に通し、配管から下げたホースで複数の作業者のウェアに冷水を供給するシステム。

現場のレイアウトや作業者の人数に合わせて配管設計ができるオーダータイプで、配管は70㍍まで延ばすことができ、複数の作業者が並んでいる溶接ラインの導入や塗料を扱う防爆工場、工場内に機器の設置が難しい食品工場の製造ラインへ展開している。

同社COOLEX事業部COOLEX販売部の木野良太課長は、「『COOLEX』は発売から四年が経過し、着実に受注を伸ばしているが、効果の分かりにくい商品でもあり、お客様に現場にてお試しいただく形(無料体験デモ)で営業展開を進めている。また、今年五月にはフォークリフトの座席のシートと背面を冷却するフォーク専用チラー『COOLEX-V151』の販売を開始したが、工場だけでなく、物流倉庫や港湾、貨物ターミナルなど、新しいお客様を開拓していきたいと考えている」と語る。

「COOLEX」の冷却効果は産業医科大学で行われた実験でも実証されている、この実験では、WBGT35(温度40℃、湿度50%)の環境下で、「COOLEX」着用と未着用の人の直腸温、食道温、心拍数、推定発汗量を計測。いずれも「COOLEX」着用者に有意な低下が認められ、冷却水が血液循環を介した全身の体温低下に効率的であったと考察されている。

また同社は6月1日から4日まで愛知スカイエキスポで開催された「FOOMA JAPAN 2021(国際食品工業展)」に、空調に代わる冷却ソリューションとしてCOOLEX-Multiを出展、来場者の高い関心を集めた。木野課長は「FOOMA展への出展後、多くの引き合いやお問い合わせをいただいており、デモ依頼も数十件に上っている。今後もこれまでの空調システムや空冷式のウェアではご満足いただけなかったお客様に向け、『COOLEX』のご提案に力を入れていきたい」と語った。

インフォメーション一覧
Back to Top Optimized with PageSpeed Ninja