2024.5.30掲載 産業新聞 ―期待商品・期待技術

2024.05.30 メディア

産業用換気装置の鎌倉製作所(本社=東京都港区、堀江威史社長)はこのほど、地下水利用システム「ジオ・アクア システム」を発表した。「ジオ・アクア システム」は、直接地下水を利用する「グランドウォーターファン」、間接的に利用する「COOLEX-Multi」シリーズを両軸とし、節電効果と暑さ対策の両立を可能にしたシステムとなっている。「ジオ・アクア システム」で同社はSDGs志向のユーザーニーズに合致した提案を展開する。

「ジオ・アクア システム」では、利用可能な地下水の量や温度、外気導入か場内冷却などの条件により、最適な冷却方法を提案する。室内のスポット冷却やゾーン冷却、または作業者を直接冷やす「COOLEX-Multi」の地下水間接利用方式は、チラー内部の冷水を作り出すサイクルで地下水を利用することで、空冷式チラーに比べ大幅にエネルギーコストを削減。吹き出し温度が26度の時、空冷式チラーの産業用エアコンと比較して、消費電力を最大40%削減する。「グラウンドウォーターファン」などの地下水直接利用方式では、ポンプとファンのみを使用し、コンプレッサーを使用しないため、最大80%消費電力の削減を実現。

一般的に地下水の水温は1年を通してその地域の平均気温とほぼ同じで、外気に比べ夏は冷たく、冬は暖かい水を得ることができる。直接・間接方式ともに効率よく地下水を活用するシステムで大きな節電効果を得られるため、カーボンニュートラル、地球温暖化防止対策につながる。「日本は地下水大国。井戸だけでも約7万カ所あると言われ、日本人の生活・産業とは切っても切れない関係にある。しかし地下水の熱エネルギーの活用はまだ十分とは言えない。『ジオ・アクア システム』により未利用の資源を有効活用することで、地下水をより無駄なく活用でき、SDGsへの貢献を目指す企業にはぜひご検討いただきたいシステム」と地下水利用システムプロジェクトリーダーの石井匡氏は語る。

すでに同社には全国から多くの問い合わせが寄せられている。水質や水温、塩分などの水質確認は必要だが、最適な使用方法を提案できる体制は整えている。将来的には水源からデバイスまでをトータルパッケージで提案できるようにしたい、としている。

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