溶解された鉄を移送鍋で次工程に移す中で、鍋底に地金が残ります。その地金をガス溶断により解体する作業を行っています。作業場は加熱している設備に囲まれ、鍋から取り出した地金も700~800℃と高温であることから、輻射熱の影響を大きく受けます。作業場の温度は50℃を超え、厚手の防護服も着用しているため、非常に過酷な環境となっています。解体する地金の大きさや冷め具合によっては連続作業時間が90分になることもあります。
2018年に日本製鉄(株)構内でCOOLEXを展開している業者からパーソナルタイプのCOOLEX-1をレンタルしました。これまで試した保冷材ベストやコンプレッサ式の冷却ウェアとは、比較にならないほどの冷却効果を感じました。また、保冷材ベストとは異なり、冷却効果が持続する点も大きな採用ポイントとなりました。
COOLEX-1は小型チラーの利点はありましたが、毎回片付けるのが面倒との意見があり、大型チラーで複数名同時に使用できるCOOLEX-Multiを導入しました。今回の現場では2階に3名、1階に1名の計4名で同時作業を行っています。作業場から離れた所にチラーを設置したことで輻射熱の影響が小さく、ホースの露出も少ないため、冷却効果をより感じることができました。メイン配管を作業場近くに設けたことで、接続ホースの取り回しもすっきりし、作業環境改善の対策設備として所内の好事例表彰も受賞しました。