スラブ搬送を行う天井クレーン作業はスラブからの輻射熱の影響で大変過酷な環境となっています。熱片スラブから上がってくる熱気の影響でクレーン操作室の温度は外気温を超える時もあります。24時間3交代で行っており、一人の作業者が長い時は8時間(途中休憩あり)の作業となっています。これまではエアコンが設置されていましたが、周囲温度が高いため、効果が薄い、あまり冷えないとの意見が多くあり、業務を委託している取引先(鴻池運輸様)から毎年のように暑熱対策の要望があがっていました。
要望に応えるために暑熱対策の検討しましたが、能力をあげた空調への更新、二重硝子、防熱板などを設置すると大規模な設備投資が必要でした。大きな金額のため他の対策を検討していた時に、構内の労働安全衛生を担当している安全健康室からCOOLEXを紹介されました。機器と冷却効果を確認するためにデモを申し込み、約1週間実際の天井クレーン業務で使用しました。作業性やウェアの着脱性など作業者から様々な意見がでましたが、冷却効果を確認できたので導入することとなりました。
天井クレーン操作室であまりスペースがないため、通常10mのホース長を2mに変更しました。またウェアは13着購入し作業者に支給しています。大柄な作業者がいたため、特注サイズのウェアも採用。冷却効果の評価に関しては個人差がありますが、今回導入したクレーンから暑いという意見がなくなりました。ウェアの冷却部分(上半身)がシッカリ冷えているので、腕・足など全身も欲しいとの要望も出てきています。またホース脱着口の改良やウェア着脱性の向上にも期待したいです。熱中症を発生させない環境づくりは今後も必要となるので、COOLEXが適合する作業があれば検討していきたいと思います。